誰も絶望に向かわなかった

コロナが最初に船の中から出てきて、感染症らしい・死ぬらしい、となって、日に日に数字が増えて、これは大変なのではないか、となったとき、

こうなりました。

と同時に、頑張んなくていい理由が増えたな！w と思いました。

基本的に私は怠惰で頑張ることが嫌いで、可能な限り一人でパソコンを見ていたい。

なので、基本的に店も仕事もドアの外にある世界に、有り体に言えば生きづらさを感じていて、10年間ぐらい常に最悪でした。

誰かと話していても誰とも話していないような、逆再生のラジオを聴きながら街を闊歩してるような、どうしようもない空振り感。

コロナだから、を理由にお家にいることが求められて、動かなければ動かないほど賞賛される……そんな気配がテレビから5chから電柱からする、やっっったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー もう頑張らなくていいもう頑張らなくていいもう頑張らなくていいありがとうございますありがとうございますありがとうございます

……。

…。

でも誰も絶望に向かわなかった。

てっきり、世界がこちらに来たのだと思った。

けれど、誰もがそれを拒んだ。

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全員が全員、“何かを頑張る“ という状況を諦めず、いかにこの状況をマイナスから0に近づけるか、と絞り出すように手札を披露し始めたとき、ガチで落胆した。

人間、人生をより良くしようという意思が強すぎる。その意思にあてられて、塞ぎ込んだ。そんなのないよ私には。毎日空想して、絵を描いて文章を描いて、やっと理想の生活ができたというのに、また世界が塗り替えられる、、塗り替えてやるという意志の強さと強行突破ぶりよ。100億万コンボをキメてやる！とでもいうように、全員が全員、なにかを良くしようと足掻き、楽しい気持ちを共有し、何かをねぎらい、繋ぎ、願い、同じ方向へ向かおうとした。

傲慢すぎて最悪。

もし会話ができて好きなことができておいしいものが食べられる街に永住できたとしても、何かがそれを塗り替えて、またとられちゃうんだ。と思った。

なので諦めて就職しました。本当は今この瞬間も死にたいけど、どこに行っても叶わないからしょうがないです。

出勤する朝、アハハ〜ってバカ笑いしてる親子を見て、すげー…となった。

感染症流行ってて、政府の悪口言う人いっぱいいて、ネットは悪意だらけだし、ずっとマスクだし、自殺ばっか。教科書だったら太字になる世なのに、心から面白いですけど〜の顔をして笑えるんだ 蛍光マーカーで引いた太字からは絶対笑い声しないのにね？

もし砂漠に飛ばされてもオアシスを探したくない 地面を掘りたくない 集落を探したくない 植物を食べたくない 鞄の中漁りたくない 未来のこと考えたくない 思い出振り返りたくない こんにちはって言いたくない 寝っ転がってそのまま夜になって朝になって夜になって寒くなって死にたい