山河もない

 

小学生の頃から、自分は将来文章を書いてそれで生計を立てて生きていくのだと信じて疑わなかった。読書感想文の校内代表は小学校から高校まで私で、何かの公募に応募すれば面白いほど反応が返ってきて、親が唯一褒めてくれるのも私の文章力だった。毎日空に祈った。神様はいないと思うけど、小さい頃はいた。神様ありがとうございます。私に言葉を与えて下さって、私の中に言葉を下さってありがとうございます。私の武器は言葉しかなくて、いろんな人を傷つけたけれどその分助けようともした。森田の言葉はかみさまみたいだね。って、高校のとき片思いしていた女の子に言われて、よかったって思った。言葉があるから1人でもよかったし、言葉があるからこそいつも1人じゃなかった。

今はもう何もない。国も敗れたし山河もない。圧倒的な敗北。東京なんかに来てしまったからなのか自己破壊的な行動を繰り返してしまったからなのか、私の中には何もなくなった。神様ありがとう。せっかくくれたものなのに何にも成されなくてごめんなさい。

さよなら